高配当株の割安感を知る|配当利回り・PER・PBRについて解説

買い目安は配当利回り・PER・PBRの推移を見る

お、気になってる銘柄の株価が下がってきた!今が買い時かも…?



でも、本当にこの価格って『割安』なのかな?どう判断したらいいんだろう…。
株価が下がっているのを見ると、つい「お得だ!」と飛びつきたくなりますが、それは危険なサインかもしれません。
大切なのは株価の数字だけを見るのではなく、その企業の価値に対して本当に割安なのかを見極めることです。
この記事では高配当株投資で「買い時」を判断するために欠かせない、以下の3つの指標について徹底解説します。
- 配当利回り: どれだけ効率よく配当金をもらえるか
- PER: 企業の利益に対して株価が割安か
- PBR: 企業の資産に対して株価が割安か



「PERって何?」「配当利回りは何%ならいいの?」といった疑問も、この記事を読めばスッキリ解決!



3つの指標をしっかりマスターしよう!
配当利回りで割安か判断する


配当利回りとは「投資した金額に対して受け取れる配当金が投資額の何%になるのか」という指標です。
高配当株投資では期待リターンを見る時に最もわかりやすい指標になります。



同じ3000円で株を買って4%の120円をもらえるか
3%の90円をもらえるかどっちがお得かは一目瞭然だよね!
配当利回りの基準


一般的に高配当株の配当利回りは3%〜4%が目安になっています。



銘柄によって差はありますが、配当利回り3.75%が1つの基準になります。
これは配当金に課税された後に手取りとして残る利回り(税引き後利回り)が3%になる水準です。



ただし、銘柄によって投資すべき利回りに差があるので注意が必要です。



平均配当利回りが5%の銘柄もあれば、1%台の銘柄もあるよ!
それぞれの銘柄の特徴を知っておくことが大切!


例えば、高配当株として人気の「三井住友FG」は配当利回り4%では、5年間の平均利回りをはるかに下回ることが分かります。
上記の利回り推移から、三井住友FGの場合は配当利回り5%以上が割安の水準としての一つの目安になるかと思います。


一方で、こちらも人気の「全国保証」ですが、配当利回り3.6%が過去最高の利回りになってきていることがわかります。



過去5年間で配当利回り4%超えたことがないんだね!



そうなんだよ!全国保証は3.5%超えるとかなり珍しい!
だから僕なら3.5%を超えると買いときかもって考えるね♪
優良銘柄であることが大前提ですが、配当利回りが3%前半であっても購入のチャンスになることがあるので覚えておきましょう。
銘柄や業種によって期待できる配当利回りには差があります。
そのため、「業績は安定しているものの利回りが低い株」や「景気敏感株で利回りが高い株」といった性質の異なる銘柄を組み合わせ、ポートフォリオ全体で3.75%の利回り達成を目指しています。



配当利回りは現在の数字だけではなく過去の利回り平均を見ることも重要!



私はどんなに優秀な銘柄でも配当利回りが最低3%を超えないと買わないよ!
この辺りの細かいルールは自分の中で決めておくと迷わない!
総合利回りも考える
日本株の中には配当金だけでなく株主優待がもらえる会社があります。



僕は小魚がもらえる株主優待がすきだペイ!



ちなみに僕はQUOカードとかカタログギフトが好き!
この優待にも利回りが存在します。
株主優待と配当金を合わせた利回りを総合利回りと呼ぶよ。
総合利回りで投資判断をする場合、利回り4~5%を理想としています。
株主優待は今の生活を豊かにするという目的を達成できる手段と考えることができるので、配当利回りと優待利回りを合わせた総合利回りを購入目安の基準としています。
ただ、絶対にこれを満たさないと投資対象から外す訳ではありません。



優待は廃止があるから怖いなぁ〜



うんうん!分かる。僕も優待はあくまでおまけとして考えてる。
それに優待は単元(100株)が基本となるので資金が大きく必要だし配当利回り3.5%以上を一つの目安と考えています。
配当利回りも企業によっては3.5%で低かったりするのでその銘柄の5年間の配当利回り推移を参考にしています。
PERで割安感を判断する





割安株ってどうやって見極めるの?
株価が低いと割安?というかPERって何?



残念!それは違うよ!
株価が低い=割安ではなくて、適正価格より割安かどうかが大事!



難しすぎる。どういうことだペイ!
ちなみに株価はこう求められる
EPS(1株あたりの純利益)×PER (株価収益率)で求められる
そもそもPERってなに?


PER(株価収益率)は、「株価がその企業の利益に対して割高なのか、割安なのか」を判断するための指標です。



業績に対する投資家の期待値を表しているよ!
- 株価:1,000円
- 1株あたりの利益(EPS):100円
この場合が1000÷100円でPER10倍と表します
EPSは同じ100円で株価500円の場合は5倍と表します。



なるほど!PERが低い方が期待が低い=割安ってことね!



そういうこと!PERが低いと割安なんだ!
分かりやすいように表でまとめるね。
PERの違いでどう見える?
会社名 | 株価 | EPS | PER | 評価 |
---|---|---|---|---|
A社 | 1,000円 | 100円 | 10倍 | 割安感あり |
B社 | 2,000円 | 100円 | 20倍 | 割高に見える |
業績(EPS)が同じなのに、株価が低くてPERが低いと比較的割安だと言えます!



ただし注意点もあって…
- 業種によって平均PERは異なる
- 成長企業は将来の期待も織り込まれているので高い=悪いではない
- PERだけでなく、売上や配当も見るのが大事
PERが何倍であれば割安なのか一概には言えませんが、平均的には15倍となっているのでPERが15倍以下なら合格点という意見が多くなっています。





業種が違うってだけでこれだけの差があるんだね!
個々の銘柄で比較した時には、人気や期待でPERはもっと差が生まれやすくなるよ!



PERも推移とかをマネックス証券の銘柄スカウターで見えるし
ここで解説してるから見てみてね♪
PBRで割安か判断する


PBRとは企業の資産価値に対して何倍で取引されているかを表している指標です。



上の図で言うと、同じ4,000円の株価なら資産をたくさん持っているBの方がお得(割安)ということ!
PBRが1倍の場合、万が一会社が倒産した時、借金をすべて返した後に残った資産と株価が同じということになります。


例えば1万円の財布を購入するときに財布の中身が2万円入っている状態がPBR0.5倍を表しています。



何それ!意味わかんないぐらいお得ってことですね!



でしょ!その企業の価値(株価)よりお金(資産)が多く入っている状態なので割安度を図る1つの指標としてPBRが採用されています。
ただしこんな注意点もあるよ
① 市場から将来性を期待されていない
② 事業に問題を抱えているケースも
③ 解散価値よりも低くても、実際に解散するわけではない



あくまで業績がいいことが大前提ってことだね!
この状態は本来あってはならないということで23年3月31日に東証から企業に対して「PBR1.0倍以上にしなさい!」という大号令がありました。
なので、PBRが1倍以下であれば企業が持っている資産に対して株価がお得(割安)と判断することが出来ます。
【まとめ】3つの指標を使いこなし、割安な高配当株を見つけよう!
今回は、割安な高配当株を見つけるための3つの重要な指標について解説しました。



最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 配当利回り:過去の推移と比較する
- PER(株価収益率):企業の収益力と株価を比べる
- PBR(株価純資産倍率):企業の資産価値と株価を比べる
これらの指標は、どれか一つだけを見るのではなく、必ず総合的に見て判断することが重要です。
そして、何よりも「企業の業績が安定しているか」という大前提を忘れないようにしましょう。



「配当利回りが〇%以上じゃなきゃ買わない」「PBRが1倍以下の銘柄から探す」など、自分なりの投資ルールを決めておくのが大事!
これらの指標を使いこなして、あなたも株価の変動に惑わされることなく、自信を持って「買い時」を判断できるようになりましょう!