【高配当株 選び方】もう騙されない!安定成長の神銘柄と危険な罠銘柄を見抜く9つのチェックポイント


配当金と聞くとワクワクするよね!



でも、どの株が本当に安全で、長く持ち続けられるんだろう…
高配当株投資で後悔しないためには、キラキラして見える配当利回りの裏に隠れた「罠銘柄」を避けることが重要。
将来にわたって安定的に配当金をもたらしてくれる「神銘柄」を見つけ出すことが何よりも大切です。
この記事では「神銘柄」と「罠銘柄」を見分けるための具体的なコツを解説します。
- 「神銘柄」の条件が明確になる!
- 「罠銘柄」が持つ危険なサインを察知できるようになる!
- 自信を持って長期投資できる高配当株を選べるようになる!



早速見ていきましょう!
長期的に投資していきたい神銘柄とは?


まずは長期的に投資していきたい神銘柄の特徴を紹介します!
ここで大切なことは、何を基準に神銘柄としているかを明確にすること!
今回は「高配当株」をメインにしているので、
- 配当金を長期で安定して支払続けられるか
- 配当金が成長していくことが見込めるか



ここを一番の基準として見ていきます!
EPSをチェックしよう!
「Earnings Per Share」
企業の収益性や成長性を評価する際に用いられる指標で、日本語では1株当たり純利益と訳されます。



つまり「1株に対して利益どうなの?」って指標!



配当金は利益から支払われるものだから、高配当株投資をする時には超重要指標!
高配当投資はインデックス投資とは異なり、投資の利益は売却益ではなく配当金という形で毎年コツコツ受け取ります。
そのため、爆発的な成長力がある会社よりも長期にわたって利益を出せる会社、つまりEPSが安定成長している会社に投資をしていきます。



インデックス投資ではGAFAMのような成長産業が軸だけど、
高配当投資ではコカ・コーラやP&Gなど長期間経営の安定している会社が軸になるってイメージだね!
神銘柄はEPSが右肩上がり
EPSが伸びているということは安定した経営が出来ている証拠でもあります。



つまり、EPSは長期的に右肩上がりが理想的です。
EPSが右肩上がりであれば…
- 次の投資へ回すお金が増加し、更なる事業発展につながる!
- 配当金が増える大きな要因に。
増えた利益を株主に還元!
一方、罠銘柄はEPSが…
逆にEPSが右肩下がりの企業は、配当金の源泉である利益がどんどん減っていることになります。
たとえ配当金維持されるとしてもいずれ限界は迎えてしまいます。
EPSが右肩下がりであれば、
- 次の投資へ回すお金が減少
→事業成長につながらない - この状況で株主還元を頑張る
→保有してる現金が減り、倒産へのカウントダウンが… - この状況だから株主還元を減らす
→株価は大きく下落する可能性も。
神銘柄 → EPSが長期的に右上がり!
罠銘柄 → EPSが長期的に右下がり!
株主還元の意識



株主還元意識の高い会社とは、稼いだ利益を配当金としてしっかり株主に支払ってくれる企業のこと!
- 稼いだ利益を設備投資や事業投資に使ってさらに利益を上げようとする会社もあれば…
- 利益のほとんどを配当として還元する会社もあります。
このような違いは株主還元(経営方針)によるもの!
投資候補の企業が株主還元をどのように考えているかは企業のIR情報、中期経営計画などで確認することが出来ます。
神銘柄は株主還元が高い!一方罠銘柄は…



株主還元が高いって具体的にどれくらいなら良いの?



一般的には配当性向20〜50%くらいが適正水準と言われてるよ!
でもね、具体的にどれくらいが良い!っていうのは投資家の考え方によるので答えられないんだ!



投資家の考え方によって変わるの?



そう!たとえば…
ジンペイくんは配当性向が高い企業のことをどう思う?



うーん、配当性向70%とか超えてる企業はちょっと危険かなって思うよ!
もしかしたら罠銘柄かも!



そうだよね!一般的にはジンペイと同じ認識だと思う!
でもね、実はこれには裏があって…
そもそも配当性向とは?
企業が当期純利益の中からどれだけ配当として支払っているかを示す指標のこと!



100円の利益が出た時に配当金を40円出したら配当性向は40%になるよ!
- 配当性向(%)=(配当金支払総額÷当期純利益)×100
- 配当性向(%)=(1株当たり配当額÷1株当たり純利益(EPS))×100



どちらかで計算できます!
配当性向が高い企業
実は、配当性向が高い=罠銘柄ではないんです!



配当性向が高すぎる企業って無理して配当金を出してるからよくないのかなって思ってるペイ…



概ねその通りだよ!ただね、逆を返せば株主還元に積極的な企業とも捉えられるよね!
悪い側面 | 良い側面 |
---|---|
無理して配当金を出してる | 株主還元に積極的 |
財務の悪化 | 株主還元に積極的 |
事業投資よりも配当金で成長がない | 配当利回りが高い |



配当性向が高いのは株主還元に積極的な証拠!



配当性向が高い企業が罠銘柄だけじゃないってところを具体的な銘柄で紹介するよ!
SOMPO HD 配当性向300%超


これはIRバンクより引用したSOMPO HDの配当性向の推移です。
2023年の配当性向を見ると、なんと330%と異常な数値となっています。
この年は、傘下の損害保険ジャパンで自然災害やコロナウイルス感染症の拡大、自動車の交通量回復などの影響によって発生保険金が従来予想から上振れし、さらに海外保険事業でトルコの連結子会社が損失を計上することも全体の利益水準を押し下げる見通しとなった。



つまり一時的な利益減により配当性向は跳ね上がってしまった。



一時的に利益は減少したけど、今後利益が戻ることを見越して配当金は維持(増配)したケース!



確かにその年の配当性向は爆上がり…
だけど、利益が一時的に落ち込んでも配当を維持する意思を示してくれたのは今後も多少の業績の下振れなら安定配当が見込めるということだよ!



次の年にはしっかり利益が戻り、配当性向も正常値になったことも評価できる!
評価が分かれる医薬品業
40年以上減配していない武田薬品工業や14年連続増配中のアステラス製薬は高配当株投資において賛否が分かれる銘柄です。
- 配当金投資で一番大切な非常に安定した配当金を長期で実現
- 株価は下落しており、高い配当利回りが続いている
- 製薬会社特有のリスク(規制の変化、特許切れ、医療費削減の圧力、競争の激化)
- 薬品の開発には多額の資金が必要で、成功する保証もない
- 配当性向は年々高まっており、現金も減少傾向







この2銘柄は高配当株投資の情報では必ずと言っていいほど出てくる銘柄です。



配当金は非常に安定していて魅力的だけど、配当性向は高く、これがいつ改善されるかはわかりません。現金も有限です。



ポートフォリオのスパイス的な役割で少額保有するのは良いと思いますが、中心にするにはリスクが高いと思います!
配当性向が低い企業



ジンペイくんは逆に配当性向が低い企業のことはどう思ってる?



配当性向20%くらいだったら今後の増配の余地もあるし、配当利回り次第ではすごく良いと思うペイ!



うんうん、そうだよね!
でも、配当性向が低い企業にも良し悪しあるんだよ!
良い側面 | 悪い側面 |
---|---|
減配のリスクは低い | 株主還元に消極的 |
財務の安定性が高い | 株主還元に消極的 |
将来への成長に期待 | 今の株主還元には期待できない(配当利回りが低い) |
配当性向が低いのは株主還元に消極的な証拠!
もちろん、成長途中の企業は低くなるのは仕方がないし、今後の株主還元の方針変更した際には大きく変わる可能性があります。
- 配当性向は高くても低くても良い側面悪い側面がある!
- 配当性向だけでは神か罠かは判断できない!
- 過去の配当金の出し方や業績、今の配当性向になってる理由などを鑑みて判断!
配当利回りが高い



配当利回りが6%超!買う?買わない?



えええ!正直めちゃくちゃ利回り高くて買いたいけど、罠銘柄っぽいから買わないかな〜



わかる〜
でもね、配当利回りが高いからって罠銘柄じゃないよ!
もしかしたら神銘柄の可能性もある!
今から超大事なこと言うからよく聞いてね!
神銘柄 → 企業の中身が優秀だけど、何かしらの理由で配当利回りが高くなってる状態!
罠銘柄 → 配当利回りは高いけど、不祥事や企業の中身があんまり…
配当利回りが高いということだけは一致していますが、企業の中身で正反対の結果になります!



たとえ神銘柄でも株価が大きく下がり、配当利回り上がることはあるんです!
大事なことは、企業の中身が優秀な銘柄の配当利回りが高いと言うこと!配当利回りが高いを優先しないこと!
総合利回りが高い
総合利回りとは配当金と株主優待を合計した利回りのことです。



高配当株の中には株主優待で商品券や割引券を配布している企業があります。



そのため配当+商品券等の利回りで自分の理想値以上の利回りの企業に投資するのも1つの手です!
高配当かつ優待銘柄の例としては、NTTが挙げられます。
NTTは100株以上を2年以上保有した場合にdポイントを1500ポイントが株主優待でもらえます!
株式分割の影響で100株を15,000円程で購入できるので、長期保有を前提にすれば非常に魅力的な銘柄であると思います。
例えばこんな銘柄!
※2024 6/11 株価で計算
- プロネクサス(7893)
配当利回り:4.13%
優待利回り:2.38% ※10年保有時 - ウィルグループ(6089)
配当利回り:4.50% ※累進配当
優待利回り:2.04% ※3年保有時
神銘柄 → 企業の中身が優秀だけど、何かしらの理由で総合利回りが高くなってる状態!
罠銘柄 → 総合利回りは高いけど、不祥事や企業の中身があんまり…



配当金の減配のように優待にも廃止や改悪といった可能性もあるよ!
投資する際には特に注意して銘柄を選ぼう!
連続増配をチェック!
配当金が毎年増えている株のことを連続増配株と言います。



減配をしていないというだけでも十分嬉しいですが、毎年配当金が増えていく連続増配株は買って保有しているだけで取得時の配当利回りが3%から4%、4%から5%と上昇していきます!
株式投資大国のアメリカでは30年以上連続増配している企業がゴロゴロあり、中には50年以上連続増配している会社もあります。
アメリカに比べると日本株は増配歴が短いですが、20年以上増配している銘柄もあります。
(引用:FINTOS!)
連続増配株は人気があり利回りが低い場合もありますが、長期的に保有し続けることで最終的な利回りが大きくなる可能性を秘めています!
連続増配が出来る会社というのは業績が安定していて毎年株主に配当金を支払っていても問題ないということです。
こういった連続増配株は花王やユニ・チャームといった生活必需品、KDDIやNTTといった通信、芙蓉総合リースやリコーリースといったリースセクターに多く見られます。
一方で、その年その年で配当金がばらつく企業は神銘柄にはなりづらい特徴があります。
安定的な収入を求めて配当金投資をする人が多い中で安定しない配当金は好まれづらいです。



もちろん!投資の目的も投資する銘柄も自由だからね!
神銘柄 → 業績成長に伴った連続増配!
罠銘柄 → 利益が伴わないのに増配ばかりしている、増配どころか配当金が不安定に推移
景気後退時、配当金どうなった?
リーマンショックやコロナショックといった暴落時にはほぼすべての会社が影響を受けています。
世界的な金融危機が起こった時にその会社の売上はどうなっていたか、株主に対する配当金はしっかりだしていたのかを知ることで、今後暴落等が起きた時の参考になります。
ここで大事なことは
必ずしも増配していることが正義ではない!



もちろん株主としては配当金を維持、増配することが一番嬉しいし、そんな株主思いの企業へ投資したい!



でも、増配を選択して財務状況を悪化させたり、株主への還元が強すぎたせいで業績成長を妨げたり…先が見えない状況では減配することも選択肢だと思う!



その時にどういう選択をする企業なのかを知ることが一番大事です!!
コロナ時の業績は重要視しすぎない?
暴落時の配当金や売り上げを見るのは非常に大切!
直近では、2019年から2022年にかけてのコロナ禍での業績はその企業の中身を見るチャンスです!



特に2020年は全く先が見えない状況でした。
12月決算の安定配当企業でも減配した企業が多かった印象です。



そんな時に絶対に見てほしいポイントは…
- 景気後退時には業績が悪くなる景気敏感な企業なのか?
- 逆に景気悪化時でも業績成長できるディフェンシブな企業なのか?
- 業績悪化時に配当政策に準じて減配?それとも我慢して維持?
- その時の配当性向は?どれくらい頑張って配当金を出してる?
- 現金の使い方や自己資本比率の変動は?
- 落ち着いてきた2021年以降の業績は?配当金は?復活できてる?
など、コロナ禍のようなイレギュラーな時だからこそ見えてくるものがあります!



IRバンクで高配当株を調べているとこんな企業もたくさん!
コロナ時に一時的に減配…
↓
翌年には過去最高益&過去最高の配当金
コロナ禍で売り上げ悪化…
↓
配当性向が80%近くになっても配当を維持
↓
次の年には利益を戻して増配(配当性向を50%台)



こういった会社はたとえ減配していても、翌年以降を見越してあえて無理な配当金を出さない選択をしています!



株主を大切にするという意識をもっているので、一度減配しているからといって投資候補から外すのはもったいないです!
神銘柄 → 景気後退時でも業績を伸ばす、多少の業績悪化は配当金は維持、減配しても翌年以降は復活して業績や配当金をさらに伸ばす
罠銘柄 → 株主還元を頑張れない、景気後退から復活できない、株主還元が不明瞭で不安定
ストック型ビジネスの会社
人気の高配当株の共通点として挙げられるのはストック型ビジネスであるということです。



ストック型ビジネスって何?



ストック型ビジネスっていうのは、一度契約してしまえば定期的な収入源が見込めるビジネスモデルのこと!
最近ではサブスクなんて言われてるね!



ああ!アマプラとかSpotifyとかの契約のことか!
こういった定期収入型のビジネスは一度契約が完了してしまえば解約されない限り長期間にわたって収入源が確保されるので安定して稼げるという特徴があります。
ストックビジネスは神銘柄になれる素質
- 生命保険や医療保険を販売する保険会社
- 機器や設備を購入して貸し出すリース業
- 毎月みんなが支払う通信業
- オフィスや賃貸、土地を貸し出す不動産業
- ガソリンや電気、水道といったインフラ



どの業種も人気の高配当株が想像つくな〜



ストックビジネスじゃない企業は罠銘柄なの?



もちろんそんなことはないよ!
ストックビジネスでも業績が安定していない企業もあるし、逆にフロー型ビジネスでも安定業績の企業はたくさんある!
神銘柄 → ストック収入で安定業績!
罠銘柄 → 全く業績が安定しない事業 …
とにかく業績の安定性を図るのに事業内容や過去の業績推移までしっかり確認しよう!
中小型株もチェックしよう!



株価が好調な時って配当利回りは低くなって買いたい株がなくなるよね…
こう言う時って何を買えばいいの?



良い質問だね!
そういう時はいろんな銘柄を探してみるといいよ!
特に中小型株には知られていない連続増配銘柄や高利回り企業が眠ってるかも!
実はたくさん配当金を出してくれる企業は大型株だけではありません。
株価が好調な時こそ中小型株に目をつけて投資をしていきましょう。
中小型株の中にも連続増配をしている銘柄や安定した業績の会社がたくさんあります。
例えば横河ブリッジという企業は
- 時価総額1,234億円中小型株で国内最大手の橋を作る会社
- 世界最長の吊り橋だった明石海峡大橋を作る
- 踊る大捜査線で有名なレインボーブリッジを作る
- 売上もEPSも配当金も長期で安定成長
- さらに累進配当を掲げ、減配しないと宣言
- 配当利回りは約4.5%(2025年5月)



私もかなり好きな企業です!
特に累進配当を宣言しているところがもう神!笑
このような魅力的な特徴をもった会社が中小型株にはたくさんあります。
大型株ばかりに投資をしてしまうと銘柄が絞られ、セクターが偏ってしまいます。
そうなると安定したポートフォリオとは言えないので、中小型株にも投資をしてバランスをとっていく必要があります。
日本の高配当株を買う時は必然的に中小型株への投資割合も大きくなってくるので、先ほど紹介した分析方法を使って日頃から投資候補の銘柄が無いかチェックするようにしましょう!
神銘柄 → 中小型株にも神銘柄はたくさんある!
ポートフォリオを安定させるためにも企業の大きさ関係なく、いろんな企業を分析してみよう!
不祥事があった会社
言わずもがな、不祥事、特に粉飾決算のあった会社への投資は避けるべきです。



粉飾決算とは、決算書の数字を不正に操作をして売上が伸びているように見せることです。
数字だけは絶対の世界で不正に操作するなんて許せない!
私たち個人投資家は、企業が公表する決算やその他の数字が真実であるという前提で銘柄分析を行い、投資判断をしてその企業の株式を購入します。
しかし、適切な会計処理が行われていれば、公表された決算書は誤っていたことになります。
これは歴とした株主を裏切る行為です。
これは明らかに禁止されている行為ですが、粉飾決算をする企業があるので過去にそういった行為を行っていた会社への投資は避けましょう。



もちろん不祥事には大小あるから、その良し悪しは己の正義に従おう!
また、不祥事があっても時間が経ってしまえば、意外と普通の顔してることも多いから気をつけてね!笑
罠銘柄 → 自分が許せないと思った不祥事の会社へは投資しない!
まとめ


この記事では、優良な高配当株である「神銘柄」と、避けるべき「罠銘柄」を見分けるための具体的なコツを、EPSの成長性から株主還元、さらには景気後退時の対応まで、様々な角度から徹底的に解説してきました。



もしかしたら、「情報がたくさんあって大変だった…」と感じた方もいるかもしれません。
でも、大丈夫!
最初からすべてを完璧にこなす必要はありません。
今日学んだチェックポイントの中で、「これは特に重要だ!」と感じた部分から、少しずつで良いので、実際の企業分析に活用してみてください



なんだか僕にもできそうな気がしてきたペイ!



その意気だよ!この記事で学んだことを武器に、焦らずじっくりと、自分だけのお宝銘柄を探していこうね!