IRバンクの使い方(スマホの場合)
ではここからは実際に銘柄分析を行っていきたいと思います。

銘柄分析って本当に難しくて困ってた・・・



実際にフォロワーさんからもDMが多い内容だよ!
ここが高配当株投資の肝になるから繰り返しやってマスターしよう♪
今回は分析にはIRバンクというサイトを使っていきます。
ネットでIRバンクと検索してページを開いてください。


検索ボックスがありますので、そこから調べたい銘柄を検索します。
今回は「センコーグループホールディングス」をモデルにして調べていきましょう。
調べたい企業を検索


「センコー」と検索をすると候補銘柄が表示されます。
似たような名前がある銘柄は他の銘柄も表示されますので、自分が調べたい銘柄の名前をチェックしましょう。
銘柄の名前をタップすると企業の解説ページに飛びますので、もう一度企業名を選択します。
企業名をタップするとこのような画面になります。
ここから「決算」を選択してください。
ではここから3章で解説した各項目を調べていきましょう。


こちらが会社業績のメニューになります。
このページから下に見ていくことで各項目の推移をみることが出来ます。


こちらが営業収益(売上高)です。コロナショック時も売上を落とすことなく、稼いでいたことが分かります。



売上は大事な指標だよね!



そうだね!売上はしっかり右肩上がりに成長している企業が優秀だよね!
利益は為替の影響もあるけど売上は単純にその企業の成長性を示すよ!



センコーグループはとても綺麗に
右肩上がりで成長できているね!



営業利益は何が大事なの?



本業利益は売上から経費を引いた利益だよ。
本業でどれだけ稼いでいるかを表していて大事な指標だよ!



営業利益も売上高と同様に右肩上がりになっているね。
10年で2倍になっているのは素晴らしいですね。





出たよ!横文字・・・
これはなんなんだい!?



僕が一番大事にしている指標!
EPSとは1株あたりの利益のことを示しているよ。



これの何が大事なの?



配当金は利益の一部を分配していて1株あたりの配当って表現するのは覚えてる?だからこのEPSが増えていないと増配に期待ができないんだ…



なるほどね!センコーグループはEPSが綺麗に成長しているから
稼ぐ力も大きくなってるし増配にも期待できるってことだ!
EPSが上がると株価も上がり、配当金も増配する可能性が高いので株主にとってはとても大切な数字になります。





ROEは自己資本利益率のことだよ。これは投資家から集めたお金(自己資本)を効率よく使って利益を出せているかを表す指標だよ。
10%以上あれば優秀と言われているのでセンコーグループは合格点と判断することが出来ます。





次に営業利益率です。10%以上あれば優秀ですが
業種によっても変化するので気をつけましょう。



業種によって違うの?どうやって見ればいの?覚えるの?



これは分析しながら覚えていくのが一番早いかな!迷った時は同業種の大手企業や似たような時価総額の企業で比較してみよう。
ちなみにセンコーグループは物流の会社なのですが、物流企業の平均的な営業利益率は6%です。
業界全体としても低いですが、センコーグループは特に低いので注意が必要なポイントになります。





自己資本比率といい、総資産の内どのくらいが自己資本なのかを表しています。



つまり高いと自分の持ってるお金が多いってこと?



おっ!素晴らしい!センコーグループは自己資本比率が
30%となっているので、資本全体の70%は借金ってことだね。
自己資本比率は高ければ高いほど倒産しにくく、財務が安定しているといわれます。
物流の会社なので多額の借り入れが必要なのを考えると、合格点ギリギリといったところです。





営業CFは本業でどれだけ現金が増えたかを示す指標です。
売上や仕入れ、人件費などの本業に関する収支から計算されています。
基本的にプラスで推移していれば問題ない。しっかり右肩上がりで稼いでいることがわかるね。





投資活動のキャッシュフローってなんぞや!?



企業が将来の成長や利益のためにお金を使ったり
回収したりする動きを示しているよ!



マイナスってことは、、、良くないの?



残念!マイナスだから悪いってわけじゃないよ!
ここは良くある勘違いだから一緒に覚えていこう
項目 | プラス or マイナス | 説明 |
---|
工場・設備・機械の購入 | マイナス | 事業拡大や効率化のための投資。 |
不動産や土地の購入 | マイナス | 店舗、拠点、開発用など。 |
他社株式・子会社の買収 | マイナス | M&Aや戦略的投資。 |
有価証券の売却 | プラス | 投資していた資産を売って現金化。 |
保有資産の売却(工場・土地など) | プラス | 不要資産の売却や資金回収。 |
投資有価証券の購入 | マイナス | 金融資産での運用。 |
マイナスになってるってことは設備投資や子会社買収にお金を使ったなど投資したことを表してます。



2021年から設備投資にかなり投資しているんだね。2022年〜2026年までの中期経営計画を見てみると3000億円の投資計画をしているのか!



内容としては物流センターの面積を406万㎡から500万㎡に拡大し
車両台数も6700台から10000台に増やす計画のようです。
これにより売上高も60%近く増やす計画だね。





まだキャッシュフローあるの?



これが最後のCFになるよ。
マイナスとプラスの意味を説明するね
内容 | プラス or マイナス | 説明 |
---|
銀行からの借入 | プラス | 資金を外部から調達した。 |
社債の発行 | プラス | 債券を発行して資金を得た。 |
株式の発行 | プラス | 増資して出資を受けた。 |
借入金の返済 | マイナス | 借りていたお金を返した。 |
配当金の支払い | マイナス | 株主に配当を支払った。 |
自社株買い | マイナス | 株価対策や資本効率向上のため。 |



実際に財務CFを見てみると2021年から銀行にお金を借りて投資資金を確保しているみたいだよ。



あっ!銀行から借りてさっきの投資活動に使ったってこと?



ジンベイくん読みがいいね!センコーグループは銀行からお金を借りて
物流センターに投資したってことだね!借りてるお金が増えたから
自己資本比率も減少傾向になってるって繋がったね♪
✅ 3つのキャッシュフローを読むコツ
CFの種類 | 中身 | 良い形の目安 |
---|---|---|
営業CF | 本業での現金収支 | プラスが基本。企業の稼ぐ力。 |
投資CF | 将来のための投資活動 | マイナスでもOK(成長のため)。 |
財務CF | 資金の調達・返済・配当など | 借金返済や配当でマイナスなら健全。 |





現金も大事な指標なんだね!
僕も現金大好きだペイ〜!!!!



キャッシュが多いと株主に配当や自社株買いで還元しやすいよ。
新しい投資や買収(M&A)がしやすくなったり、
不況・危機でも耐えられる体力があるので増えてるのは理想的!



きれいな右肩上がりになっており、利益を蓄えることができているね
ちなみに年間配当の何年分を保有しているかをみるのも基準としてみるのもあり。
センコーグループの場合は2025年は65億円分の配当金を払い
2025年の現金は673億円持っていたので10年以上は保有していることがわかる。
10年以上保有しているとかなり安心できて減配リスクも低いね。
あくまで配当の原資は利益だけどキャッシュリッチな企業はいいことだね







やっぱり高配当株投資ならここの確認は必須だよね!



配当金は右肩上がりになっていて減配がないのは高く評価できるね♪
配当性向も30%程度と無理なく支払いが出来ているのでいいね!
罠銘柄の分析


今回は罠銘柄として有名な海運業の株を使っていきます。
先ほどセンコーグループで確認した項目を海運業の商船三井で見てみると、投資すべきではない罠銘柄の特徴を理解することが出来ると思います。


商船三井の売上高になります。
やはり会社の規模が大きいので売上高も1兆円を超えていますね。
売上推移を見てみると右肩上がりではなく増減を繰り返してボックス型を作っていることがわかります。
なので、長期的に成長している企業というよりは、成長はしないけど安定的に売上を出している企業ということがわかります。
この売上高だけをみると高配当株としては妥協点といったところでしょうか。


営業利益を見てみると赤字と黒字を繰り返していることがわかります。
営業利益は配当金の原資にもなりますので直近10年で赤字があると避けたい銘柄の候補になります。


次にEPSを見てみます。
この時点で高配当株ポートフォリオの候補から外したくなります。
まず、過去10年間だけでも赤字と黒字を繰り返していることがわかります。
高配当株の分析で1番大切なことは「配当金を安定して払ってくれる企業なのかを見極めること」です。
これだけ赤字と黒字を繰り返している企業では経営状況に不安があり、安心して配当をもらい続けられるとは考えにくいです。
直近はコロナの影響によるコンテナ不足や港の混雑により物流の混乱、需要増による運賃上昇で海運バブルとなっていますが、これが長期間続くとは考えにくいです。


そもそも赤字の年が多いので営業利益率もマイナスが目立ちます。
海運業はそもそもの営業利益率がかなり低いのですが、せめて赤字は回避して平均値はとってほしいところです。


自己資本比率は30%前後となっています。
直近では海運バブルの影響もあり自己資本比率が高くなっていることがわかります。


営業CFは赤字に放っていませんが、年によってかなりバラつきがあることがわかります。


現金等は右肩上がりではないものの、ある程度の資金を保有していることがわかります。
長期的に右肩上がりになる推移が理想的ですが、現金をどんどん減らしているわけではないので可もなく不可もなくといったところです。


直近の海運バブルの配当金はすさまじいですね。
過去の配当金をみると赤字の影響もあり増減配を繰り返しており、安定して配当金を支払っているとは言えません。
特に2013年には無配になっているので、業績によって配当金を無くす企業への投資はおすすめできません。


最後に配当性向を見てみましょう。
配当性向は利益の内何パーセントを配当金に使ったかを表す数字なので、赤字で利益が無ければ配当性向は0になります。
逆に2010年を見ると配当性向が145%を超えています。
これはその年の利益が100万円であった場合に145万円を配当金として支払っていることを表しています。
配当性向が100%を超える場合、保有している資産や現金を配当に回しているので健全な運営とは言えません。
先ほども紹介しましたが配当性向は多くても少なくてもいけないことを覚えておきましょう。
では次に買うべき株の特徴について解説していきたいと思います。
IR情報の確認
IRバンクで銘柄の業績を調べた後は企業のIR(投資家向け広報)情報を見ていきましょう。
Googleなどで「企業名+IR情報」と調べると一番上に出てくるかと思います。
先程のセンコーグループホールディングスを例にして見ていきましょう。


このようにIR情報では事業内容や配当方針、決算短信などの資料を見ることが出来ます。


投資したい会社がどんな事業を行っているのかを確認したり、


株主還元としてどのような方針を掲げているのかを確認するようにしましょう。
センコーは配当性向40%以上を掲げていることがわかりますね。


また、中期経営計画にも目を通すようにしておきましょう。
中期経営計画とは「今後数年間でどのように成長し、安定した利益を上げるか」という計画を立てたものです。
これを見ることで、企業が将来も安定して利益を上げ、配当を維持・増加させる可能性があるかを判断できます。
また、計画には新しい市場への進出や新製品の開発など、企業がどのように成長を図っているかが示されていて、これは将来の株価上昇や配当増加に繋がる要素です。
中期経営計画には、どのようにリスクを管理し、事業の安定を図るかが含まれています。
これもまた、配当が将来も安定して支払われるかを見極めるための重要な情報です。